編集長からのご挨拶

“現代を健康に生きる”『栄養と料理』

『栄養と料理』をご愛読いただき、まことにありがとうございます

水の沸点が100℃ではないことをご存じでしょうか? 高校3年生のときだったかと記憶していますが、水の沸点は100℃ではなく99.974℃だということが明らかになり、新聞の科学面や科学雑誌で大きく報道されました。当時、科学に興味を持っていた私は、それが実生活とどうかかわりがあるのかわからず、もっと生活と深く結びつく学問がしたい! と思って食物学を志し、『栄養と料理』と出合いました。

料理も栄養も、科学に支えられています。食材を切る、塩でもむ、煮る……といった調理の各工程には、それぞれの食材の物性や成分が影響し、化学反応がつきものです。物理的化学的に変化することによって、味わいや食感が変化し、おいしい料理へと仕上がっていきます。食材や調理の科学を知っているのといないのとでは、仕上がりに大きな差が生まれます。

料理は口にしたあと、唾液と混ざって胃や腸で消化され、吸収されます。その過程で食べ物は、分解され、体内の成分と反応して変化し、エネルギーとなり栄養となっていきます。それぞれの栄養素が体に対してどのように働き、とりすぎるとどうなるのか、健康や病気とどうつながっているのか、なにをとりすぎれば生活習慣病を引き起こすのか――そうしたしくみを理解すれば、その知識を実生活に役立てることができます。

料理や栄養について学んだことは、すぐに生活の中で生かすことができます。これほどためになり、楽しい学問はありません。近年、日本人の食事は量的にも質的にも多様化しています。栄養学も日進月歩ですが、まだわからないことがたくさんあります。『栄養と料理』は、それらを皆さまといっしょに学び、その知識を生活の中で楽しみながら実践していくためのお手伝いをしたいと考えています。

そして、読者の皆さまやご家族が健康をより確かなものとし、すてきな人生を送るためのサポーターとなることができれば、これにまさる喜びはありません。2015年には創刊80周年を迎える『栄養と料理』を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

『栄養と料理』編集長 監物南美

栄養と料理